TVアニメ『悪偶 -天才人形-』(あぐう)

『悪偶 -天才人形- 』全話ニコニコ一挙放送決定!!

11月28日(水) 19:00-24:30 『悪偶 -天才人形- 』全話ニコニコ一挙放送決定!!

斬新なビジュアルと独特な世界観、予想不可能な展開と演出で話題を呼び、あの「月刊ムー」(学研プラス)でも2か月連続で紹介された『悪偶 -天才人形- 』。
そのTVシリーズ全12話の一挙放送が決定しました!!

一挙放送決定を受けて『月刊ムー』の三上編集長や、シリーズ構成の加藤結子さん、音響監督の郷田ほづみさん、メインキャストの皆さんからのコメントをいただきましたのでご紹介させていただきます。

ボブ白旗監督インタビューはこちら

『悪偶 -天才人形-』全12話一挙放送
2018/11/28(水) 開場:18:30 開演:19:00
会場はこちら(ニコニコ生放送)


『月刊ムー』編集長:三上丈晴さん

生き人形呪術「悪偶」は中国古来の呪術「蠱毒」を想起する。
ヘビやムカデやカエルなど毒を持つ動物を小さな壺などに閉じ込め、生き残ったものを呪物とし、相手を苦しませ、死に至らしめる凶悪な術なのだが……「蠱毒」は現在にも受け継がれている。
これを毒虫でなく、人間で行ったらどうなるか?
それが「悪偶」だ。
「悪偶」を欲する者たちは、それが我が身を呪いに晒すことだとわかっていない。
視聴者の皆様も、ゆめゆめ、ご注意されたい。


シリーズ構成:加藤結子さん

『悪偶』全話一挙配信おめでとうございます。
素晴らしい方々と一緒に仕事をさせていただき、幸せな現場だったなぁと思い返しております。またご一緒できる日を心待ちにしております。


音響監督:郷田ほづみさん

全話が一挙に観られるのはいいですね。
独特の世界観と独特のキャラクター達。ラスト近くのバトルはさらに独特です。
この機会に是非観ていただきたいです。


愛役&エンディング:芝崎典子さん

全話一挙配信!嬉しいです!
愛ちゃんと一緒に足を踏み入れた不思議な世界。
毎週どうなるかワクワクしながら収録に臨んだ大切な作品です。
実は大人数で観るのにも向いています…!
EDテーマまで是非お楽しみ下さい♪


町役:松井恵理子さん

一挙放送ということで、怒涛の展開を一気にお楽しみください?!


羅正役:高木渉さん

『悪偶 -天才人形-』が全話一挙配信ということは、この神秘的で不思議な世界観を一気に堪能出来るというわけですね!
おお? すでにもう貴方は操られている。
ふふふ。お楽しみください…


羅布役:柴崎哲志さん

5話の台本のト書きの「さようなら羅布!」の文字に送られて、羅布とともにアフレコ現場を離れた僕ですが…。
皆さん、あの独特の世界観クセになってませんか?
そして羅布にあいたくなってますよね? なっててほしいです(笑)
全話一挙配信、楽しんでいただけると嬉しいです!


エルパト役:安元洋貴さん

久々に俺に「トラウマ」を与えてくれた作品です。
ビジュアル的な刺激ももちろんですが、後にも先にもあそこまで多くの「数字」を言う事はきっと無いでしょう(笑)。
本当に大変でした。
さてさて、一挙放送ですな。
俺は「悪偶」と言う作品の質感、世界観共に大好きです。
一人でも多くの方がそれに染まってくれる事を願っています。


李純貞役:井上喜久子さん

とても刺激的で、摩訶不思議!
一言では言い表せない魅力のある作品「悪愚」。
私の役はとんでもない母親でしたが、とても楽しんで演じさせていただきました!
ぜひ観てくださいね♪


李白綿役:M・A・Oさん

全話一挙配信おめでとうございます! 個人的には、エルバトさんと白綿君のシュールで熱い戦いをまた観ていただける事が嬉しいです。 皆さんのペースで、是非もう一度悪偶の世界を楽しんで下さい!!


黄鶯鶯役:水野理紗さん

全話一挙配信おめでとうございます。
毎回楽しかったアフレコが、今ではとても懐かしいです。
悪偶の名シーンをもう一度ご堪能ください!

ボブ白旗監督インタビュー

——まずは、今回の作品を受ける経緯をお聞かせください。

監督・ボブ白旗(以下、監督):お話をいただいて、原作を読みました。今まで観たことのないような作品でしたので、やってみようかな、と(笑)。

——初めて原作を見た印象は?

監督:全部、ユニークでしたね。絵の作り込み方とか、その捉え方とか、パーツの作り方から色から表情から……コマ割りも独特で、見たことのない世界観だなぁ、と。
今まで自分の中にあったものとは、全く違うものでしたね。とはいえ、何かっぽいような気もするし、そうでもないという、色んなものが入っていて、とらえどころが無いといえば無かった不思議な作品です。でも、これを自分なりにやって見たら、何かが面白くなるんじゃないかと思いました。

——作品作りにあたり、どこを取っ掛かりにされましたか?

監督:最初はどうしようか判らなかったんですが(笑)。いろいろ探りながらやってきました。そのうち、物語の引っ張り方の本当に独特な面に引き込まれていく感じがあり、それに乗っかって作っていったら、面白くなっていくんじゃないかというところが取っ掛かりでしょうか。それが割と上手くいったんじゃないかと思っています。

——中国の原作サイドとのやり取りはいかがでしたか

監督:日本の原作とのやり取りとは全然ちがいましたね。やり方というか、考え方というか、物語の展開のさせ方とかも。
日本と中国っていう文化の差もあったと思うし、こちら側と原作者サイドのやりたいことにも差があったと思いますね。私は私なりに、最初に原作を読ませてもらった時に感じた「こういう風にしたら面白いんじゃないか」というポイントはあったのですが、原作サイドと、そのポイントのズレは、どこかにあったと思うんですよ。そして、お互い最終的に理解しあえたか、その自信があるかといえば、どうでしょうか?(笑)
でも、何となく、こうしようああしよう、こうしようああしよう、というやり取りを重ねていった結果が、この全12本のシリーズなんですよ。

——アニメのストーリーを作っていく部分で苦労なさったところは?

監督:原作をアニメーションとして、どういう風な方向にしようかっていうところから始まります。自分達、日本側で考えたのは、1話完結の基本的なストーリーがあり、その中に、原作で流れている物語が被ってくる……っていう二重構造に持っていけば、割と深みのある作品になるんじゃないかということを考えて提案したのですが、原作の中国側からは「そうではない」と指摘されました。
原作の展開をちゃんと追って行って欲しいという要望と、こちらのやりたいことのすり合わせを重ねていきました。

——個人的な印象ですが、『悪偶』の伏線の張り方が、日本の作品とは大きく異なっていました。

監督:そうなんですよ。だから日本側の考えでは、1話、1話に判りやすい展開があって、その中にひとつ大きなストーリーにつながる伏線があるというのが、ベーシックで視聴者も入りやすいんじゃないかな、と思っていたんですが、そこがもう、明らかに違いましたね。

——丁寧に伏線を貼るということについては、中国の方たちは気にしないのでしょうか。

監督:とはいえ、昔の日本の少年ジャンプとかもそうだったかも知れません。毎週毎週その場のノリで、先なんか考えないで勢い作っていたらしいという話をきいたことがありますね。もしかしらた、それをもっともっと極端にした感じなのかな?
だから強引な展開故に、ちょっとだけ懐かしい雰囲気が『悪偶』には感じました。

——キャラクター達も個性的ですが、その辺りはどうでしたか?

監督:原作でキャラクター個性がちゃんとあるので、そこは心配していませんでした。愛も、町も、しっかりしたものがあるので、そこに乗っかっていけば大丈夫かなと。そのキャラ、そのキャラの持っているものを、ドンドン濃くして作っていけば、面白くなるんじゃないかと。純貞なんて特にね(笑)。

——キャラクターで印象的だったのは誰ですか?

監督:やっぱり純貞なんですけど、取材を受けても、最初はそう言えなかったんです。ネタバレになっちゃうから(笑)。だから、ヒルソン・ロックとか言ってたんですけど(笑)。でも、やっぱり、純貞でしょう、どう考えても。原作を読み進めていったときの、あの衝撃はすごかったですよ(笑)。

——各話を作っていく部分で、どういった部分を気をつけられましたか?

監督:キャラクターの感情がちゃんと流れるように気をつけました。やっぱり物語として一番重要なのは、視聴者が気になるキャラクターの感情なんだと。それがあった上で、トリッキーな展開もアリなので、その感情部分を丁寧に作るように持っていきました。そこの軸をちゃんとやらないと、面白くならない。とにかく、お話がドンドン予想のはるか上、明後日の方向に行っちゃう(笑)。
このシリーズの根底は、愛と町のドラマです。あの2人が軸になってくれたのは良かったです。純貞と黄鶯鶯だけ……あの親子達だけでは、さすがに、シリーズ全体を引っ張っていくのは難しかったと思います。

——Twitterのコメントなどでも、予想の付かない展開が面白いとありましたね

監督:嬉しかったですね。想像がつかない展開の面白さを受け取ってもらえたみたいで。
第1話を観る限りでは、バレエのスポーツ根性モノにしか見えないのですが、まさか最後には、あんな展開になるなんて想像もつかないでしょう(笑)。1話のコンテ描いてて、『みんな、この作品はバレエモノだと思うだろうなぁ』って(笑)。
そうそう、羅布、帰ってこないかなぁ〜(笑)。日本人的なルールでいえば、絶対、帰ってくるはずなんですよ。実はそれをアニメでは、やろうとしたんです。最後のところで、羅布が一瞬戻ってきて闘うっていう展開を、一番最初の頃に提案したんですが、却下されました(笑)。最終回に余力があれば、ワンカットだけでもと思ったんです。最初はそう思ってたんですけど、そうじゃないなと、思うに至りました(笑)。いつの間にか、そのまま出さない方が面白いっていう考えに(笑)。
あと、李剛がいつまでもユニフォームを着ているのもスゴイですよね。シナリオの段階では、着替えてジャージを着ているって書いてあったんですけど、絵コンテ描いてて「ん? 違うな! ずっとユニフォームのままだ!」って(笑)。
 自分が製作中どこかで、この作品の全てが「あ、これでいいんだ」って思った瞬間は、多分、李剛のユニフォームなんじゃないかな(笑)。
シナリオ打合せの時に、確か「ユニフォームを着ているままなんて、これおかしいでしょう?」って自分は言っていたのかもしれませんが(笑)。

——絵的な演出面ではどんなところに気を使われたしたか?

監督:やっぱり、原作の独特な色使いをアニメでもどう表現するか、それがとても重要でした。あと、空間の捉え方も、原作の独特の感じを、どこまで表現できるか、っていうところに突きますね。最終的に、上手くいったかどうかも判らないくらい、いまだに正解がよく判ってない(笑)。
原作のビジュアルがこれまで自分が観たことのないタイプの絵なので、おそらく誰にも正解が無いとは思いますね。とにかく、独特なビジュアルを持つ世界観をアニメでも組み立てていければと、こういう作り方もアリなんだ、っていうのを感じてもらえたらありがたいなと思っています。
 いろいろチェックしていく中で、とにかく「これは違う!」というのは、何となくありました。でも、それを具体的にどう、って言えないんですよ。おそらく感覚的なもので、ひと言では言えないんです。このままだと淡々と普通に見えちゃう、それじゃダメだと。日本でいう、お茶の間の感じにしちゃいけない。  中国は、自分は行った事が無いので判らないのですが、日本より広い、とにかく広い。ですから、日本のレイアウトでは収まり切らない感じも狙ってみました。でも、メインスタッフは日本人なので、そのニュアンスは、なかなか伝わらなくて大変でした。そういう歪みも込みで、面白い作品になったんじゃないか、と思っています。
カット割りは「え?」って思ってもらえるカット割りを意識しました。切り返しでこう来ると思ったら、こうだった、みたいな。普通はここで、引きの絵が来るよなぁ、というところで、引きの絵を入れない、とか。実はそこは、自分は昔から意識していて、それが何か、この作品に上手くハマったんじゃないかと思います。

——キャスティングや音響面でのこだわりはいかがでしたか?

監督:キャストは本当に、うまくハマりましたね。どのキャストもピッタリというか、面白くしてくれて、凄く助けられたなぁ、と。アフレコで、自分が注文をつけた事は、ほぼ無かったです。
あと、郷田(ほづみ)さんの音楽の付け方が、ばっちりツボにはまりました。凄くカッコイイというか、とにかく、もう、救われました。
 絵的な部分では普通じゃない感じを狙いましたが、音響は逆に、普通というか正統派でやろう、と。とにかく、シリアスはシリアス。それがあるから、ちょっとトリッキーな展開が生きる。全部トリッキーになると、逆に、ソコが目立たなくなるので。
そういう意味で、数字バトルがトリッキーに聞こえないかもしれないけれど、一番トリッキーで大変だったと思います(笑)。

——音響監督の郷田さんも「(数字バトル)は本当に大変だったけど、普通に聞いていると普通にしか聞こえない。自分でやってみて大変だった」と、おっしゃってました。

監督:(笑)。郷田さんは、それ以外でも音響演出面で、色んな事をして下さって本当に感謝しています。

——個人的に印象に残っているシーンなどございますか?

監督:いっぱいあるんですけれども、コレっていわれると難しいですね。
原作には無いのですが、町が愛のために雨の日に傘を持ってくるシーンなどは、一番日本的なシーンじゃないかと思います。色々やりとりはありましたが、どうしても、あのシーンだけは入れたくて、無理して入れさせてもらいました。そのかいもあり、あの2人の感情が、上手く表現できたんじゃないかなと思います。言葉だけじゃなく、シーンとしてちゃんと作る事が出来て、良かったです。
 あと、ヒルソン・ロックで、純貞達が占ってもらうシーンですね。シナリオ段階ではお守りは一個だけだったのですが、いっぱいあった方が面白いと思って、絵コンテで増やしました(笑)。あそこは、コンテ描いていても楽しかったですね。

——オープニング・本編・エンディングの一連の流れが、本編と上手く繋がっていましたよね?

監督:うまく世界観を汲み取っていだき、オープニングもエンディングも作って貰えたので、とてもありがたかったです。オープニング~本編~エンディング、全部ワンセット。一つも浮くところ無く、全部が『悪偶』っていう世界になったんじゃないかな、と。
 曲に関して、こちらからは具体的にどうこうって指示は多分していないはずです。それがこういう形に上手く作っていただいて、こちらも本当にありがたかったなぁ〜。

——オープニング、エンディングの絵もイイですよね。

監督:ホント、助けられました。
 とにかく、曲が独特な曲なので、そこに絵も反応しているというか、作品の世界観に曲なりの世界観が加わった上に、さらにあの絵を作ってくれて、「やっぱ、凄いなぁ」と。「コレ、自分では無理だなぁ」と(笑)。自分とは違う切り口で絵を作ってくれて、ありがたかったです。
 どの作品もだいたい、オープニングとエンディングは監督が絵コンテを切って、ってなってますけど、そうじゃない方が、実は面白いんじゃないかって、あらためて感じました(笑)。ドラマや映画でもありますよね。タイトルバックって、違う演出家がやるっていう。そうすると本編となんか違う雰囲気になっているけど、その違和感込みでつながっている。そういうのもアリなんだなと。
 そういえばオープニングでは、どのキャラを描くか、打合せしていたところ……やっぱり、「羅布、どうしよう」って(笑)。途中でいなくなるんだけど、どうしようって。オープニングだと、どう見ても主人公だろ、って(笑)。そこも、この作品らしいですよね。黄鶯鶯なんてネタバレになっちゃう(笑)。

——改めて、この作品を振り返ってみて、どうですか?

監督:楽しくやれました。こんな風な展開でやれたらイイなぁ、って思ってやろうとして、昔、何回か出来なかった展開の仕方が、出来た気がします。
「あれ?」って、違和感を感じてもそのまま通す。そういうのって、どうなのかなぁ、それが出来たら面白いなぁって、どっかでずっと思ってたんです。それがこの作品で上手くハマった。ちょっと実験的といえば実験的なのかもしれない。実験したつもりは無いんですけど(笑)。
どうなるか判らない、というか、ビックリする展開というか。観てて気持ちが良い、っていう。不思議ですけど。オープニングから本編、エンディングまで、不思議と一つのセットになったなぁ、と思います。作品としても、不思議とまとまりましたよね。収まってないんだけど、終わってる。やっぱり、新たなジャンルなんだな、と(笑)。……まぁ、ジャンルなんかないのが『悪偶』なんだな、と。
ホラーでもない。一歩間違えるとギャグ!(笑)。ギャグとして見ても面白いけど、悲劇的な要素もあり、捉えどころが無い作品。その辺も何か気持ち良かったですね。

——中国での原作人気は続いているんですよね。

監督:続編ができるかどうかは、その兼ね合いもありますね。もし作れるとしたら、今度は、中国に行きたいです(笑)。

——それでは最後に、ファンの皆さんにメッセージを。

監督:楽しんでもらえて、ホントありがたいです。この作品の持つ独特な展開を楽しんでくれて。『悪偶』のような個性ある作品が、どんどん増えていけば、日本のアニメはもっとまた、面白くなるんじゃないかな、と思っています。いろんな作品のいろんな世界観、価値観に触れてもらい、そしてそれぞれいろんな形で楽しんでもらえたら嬉しいですね。

——ありがとうございました!

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